「もっと教えなきゃ」を手放したら見えてきたもの

「もっとこうした方がいいよ」

「違う違う、こうだよ」

子どもが頑張っている姿を見ると、つい言いたくなることがあります。

実はこれ、保護者の方だけではありません。

私自身もスイミングコーチとして、これまでたくさん経験してきました。

良くなってほしい。

できるようになってほしい。

そんな思いがあるからこそ、言葉を足したくなるんです。

でも先日のレッスンで、改めて感じたことがありました。

それは、

人には、自分で感じて成長する力がある。

ということです。


バタフライのキック練習をしていた時のことでした。

キックをするときに膝が少し伸びすぎていて、うまく前に進めない場面がありました。

そこで、

「膝を少し柔らかく使ってみよう」

と伝えました。

やってみると、うまくいく時もあれば、うまくいかない時もあります。

以前の私なら、ここでもっと説明していたと思います。

「こうだよ」

「今のはここが違うよ」

「もっとこうしてみよう」

そんな言葉を重ねていたかもしれません。

でも今回は違いました。

本人が、

「今のは良かった」

「今のは違った」

という感覚を持てているように見えたからです。

だから私は、

「今の良い感覚わかった?」

「じゃあ、その感覚を何回も試してみよう」

そう伝えて見守ることにしました。


すると不思議なことが起こりました。

1本目より2本目。

2本目より3本目。

少しずつ成功する回数が増えていったんです。

最後には安定して良いキックができるようになっていました。

もちろん本人の努力があります。

でも私はその姿を見ながら、

人は思っている以上に、自分で答えを見つける力を持っているんだな。

と感じました。


これは水泳だけの話ではないと思います。

宿題でも。

習い事でも。

日常生活でも。

子どもが困っている姿を見ると、つい助けたくなる。

つい答えを教えたくなる。

私もそうです。

でも、

もしかすると子どもは今、

自分の力で答えを探している途中なのかもしれません。

その時に必要なのは、

すぐに答えを渡すことではなく、

「大丈夫、できるよ」

と信じてもらえることなのかもしれません。


もちろん、放っておくこととは違います。

今回のレッスンでも、

「どうだった?」

「今の感覚は分かった?」

という確認は続けていました。

見守る。

でも関心は持ち続ける。

必要な時には手を差し伸べる。

そのバランスが大切なのだと思います。


レッスンの最後には、バタフライを12.5メートルノーブレスでとてもきれいに泳ぐことができました。

泳ぎが上達したことも嬉しかったですが、

それ以上に嬉しかったのは、

自分で感じて、

自分で考えて、

自分でできるようになったこと。

その姿を見ることができたことでした。


子どもたちには、私たち大人が思っている以上の可能性があります。

だからこそ、

教えることと同じくらい、

信じることも大切にしたい。

そんなことを改めて感じた一日でした。

あなたは最近、

「つい言いすぎてしまったな」

と思ったことはありませんか?

もしかしたら、その子の中には、もう答えを見つける力が育っているのかもしれません。