楽泳スイミングでは、進級テストやワッペン制度を設けていません。
もちろん進級テストは、誰かと比べるものではなく、
“項目を達成できたかどうか”を確認するためのものです。
でも、私が大手スポーツクラブで働いていた頃のこと。
2ヶ月間ずっと頑張っていた子が、あと少しで25mに届かず不合格。
その日、ワッペンをもらえなかったその子は、静かに下を向いていました。
「頑張ったのに、報われなかった。」
その姿を見て胸が締め付けられました。
頑張ったことを、ちゃんと褒めてあげたい。
休まず通い続けたことを、認めてあげたい。
そんな想いから生まれたのが、
楽泳スイミングの表彰状制度です。
進級や合否に関係なく、
2ヶ月間の努力そのものを形に残すために、
一人ひとりに表彰状をお渡ししています。
楽泳スイミングは2ヶ月単位でレッスンを行っています。
この期間は「できた!」がたくさん生まれる、ちょうどいい時間です。
ただ、進級制度がないことで、
「うちの子はどれくらい上達したのかな?」
と感じる保護者の方もいるかもしれません。
そこで生まれたのが、
全員がもらえる表彰状です。
合格・不合格を分けるものではなく、
2ヶ月のがんばりをしっかり肯定し、
「自分は成長できた」と感じられるための“成長の証”です。
2ヶ月間しっかり見てきたコーチが、
その子だけの成長を言葉で伝えます。
「最初は顔つけが怖かったけど、笑顔でブクブクできたね」
「お友だちの応援がとても上手だったよ」
世界にひとつだけのメッセージです。
子ども自身にも、2ヶ月を振り返ってもらいます。
「鼻からブクブクできた!」
「お水がこわくなくなった!」
小さな一歩を自分の言葉で書くことで、
自己肯定感の土台が育ちます。
表彰状は、もらって終わりではありません。
1年後、2年後に見返したとき、
「こんな時期もあったな」「がんばってたな」
と成長を思い出せるように。
未来の自分へ贈る、一枚の記録でもあります。
最終日には、ちょっとした“表彰式”を行います。
コーチが名前を呼び、
子どもたちは両手で表彰状を受け取ります。
緊張している子、照れて笑う子。
どの子も誇らしげな表情です。
見守る保護者の方の目もあたたかく、
「この2ヶ月、本当によく頑張ったね」
そんな言葉が自然と生まれます。
これこそが、楽泳スイミングが大切にしている
「笑顔で来て、笑顔で帰る」 という姿です。
家に帰ると、子どもたちは嬉しそうに表彰状を見せてくれます。
「見て見て!がんばったよ!」
お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんへも誇らしげに報告。
家族みんなで喜び合う時間が、
子どもたちの自信につながっていきます。
この表彰状は、泳ぎの技術だけではなく、
心の成長を形にするものです。
「見てくれる人がいる」
「頑張りはちゃんと届いている」
その実感が、次の挑戦への力になります。
この経験が、子どもたちの“自信の芽”となり、
いつか大きく花開くことを願っています。
楽泳スイミングの表彰状は、
子どもたちの努力を見逃さないためのツールです。
「できた!」を一つひとつ大切にし、
自分を誇れる瞬間を増やしてほしい。
これからも子どもたちの小さな一歩を見守り、
しっかり支えていきます。
今日もまた、子どもたちが笑顔で帰れますように。
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