子どもの水慣れは「遊び」が近道 親子・スイミングコーチ向け実践4選

子どもの水慣れは「遊び」が近道
親子・スイミングコーチ向け実践4選

水泳のレッスンで、まず大切にしたいこと。

それは、クロールの手の動きでも、きれいなバタ足でもありません。

水に慣れているかどうか。

ここが、水泳を楽しめるようになるための土台です。

では、水に慣れるためには、何を何回練習すればいいのでしょうか。

僕の答えは、とてもシンプルです。

水慣れは、練習しなくていい。遊べばいい。

子どもに「顔をつけて」「10回ぶくぶくして」と動作だけを繰り返してもらうより、遊びの目的をつくった方が、子どもは自分から水に関わりやすくなります。

今回は、スイミングコーチにも、親子で水慣れをしたいお父さん・お母さんにも使ってもらえる4つの遊びを紹介します。

遊びを取り入れると、水慣れが進みやすい理由

水を怖がっている子は、「水に顔をつけること」そのものに意識が向いています。

ところが、物語やクイズの中に入ると、意識の向かう先が変わります。

遊びの目的 自然に経験できること
動物園まで行く 水中歩行・水しぶき・姿勢の変化
入場料を払う 口や鼻から息を吐く
お化粧をする 顔に少しずつ水をつける
クイズに答える 水中で目を開ける・音を聞く

大人が身につけてほしい動作と、子どもがやってみたい目的をつなぐ。

これが「遊びながら水慣れをする」ということなんです。

1.動物園ごっこ

ねらい:水中歩行・水しぶき・呼吸

水深50〜70センチほどの浅いプールで、足が安定してつく子におすすめの遊びです。

まず、「みんなで動物園に行こう」と声をかけます。

  1. 水の中を歩いてバス停へ行く
  2. 両手でハンドルを持ち、バスになって駅へ行く
  3. 腕を前後に動かし、電車になって動物園へ行く
  4. 遠い場所なら、両腕を広げて飛行機になる

動物園に着いたら、入場料は「ぶくぶく」です。

口を水に近づけてぶくぶくできれば入場できます。できる子は鼻から、さらに慣れている子は顔をつけて行っても構いません。

入場後は、子どもに「どの動物を見たい?」と聞きます。

ゾウなら腕を長い鼻に見立てて、水面を軽くたたく。カンガルーなら無理のない範囲で小さくジャンプする。キリンなら背を高くして歩く。

大人が全部決めず、子どもから動きのアイデアをもらうことも大切です。自分が考えた遊びになると、参加する気持ちが生まれやすくなります。

2.ストローぶくぶく

ねらい:水の中へ息を吐く感覚

これは、家庭でもできる水慣れ遊びです。

水を入れた専用のコップにストローを入れ、ストローから息を吐いて泡を作ります。

「大きな泡を作れるかな」「小さな泡にできるかな」と変化をつけると、息の吐き方にも自然と意識が向きます。

実施するときの注意

普段の飲み物とは分け、練習用の水であることを伝えます。必ず大人がそばで見守り、水を吸い込んだり、むせたりした場合はすぐに中止してください。

3.水のお化粧ごっこ

ねらい:自分のペースで顔に水をつける

顔に水がかかることを嫌がる子におすすめです。

「お水でお化粧してみよう」と声をかけ、ぬれた手で次の順番に触れていきます。

  1. ほっぺにペタペタ
  2. 鼻にペタペタ
  3. おでこにペタペタ
  4. 最後に手ですくった水で顔を洗う

ポイントは、大人が水をかけるのではなく、最初は子ども自身の手で触れてもらうことです。

自分で量やタイミングを決められると、「急にかけられるかもしれない」という不安を減らせます。

4.水中クイズ

ねらい:水中で見る・聞く・潜る

すでに短時間潜れる子を対象にした遊びです。

コーチや保護者が水の中で「カレーライス」など、子どもが知っている言葉を一つ言います。

子どもは一緒に潜り、水中の音や口の動きから答えを考えます。

「潜ること」ではなく「何と言ったか当てること」が目的になるため、子どもが自分から水の中を見ようとしやすくなります。

言葉は短いものから始めてください。潜っている長さや回数を競わせず、子どもが苦しくなる前に顔を上げられる進め方にします。

怖がる子に対する3つの関わり方

  1. できる範囲を本人に選んでもらう
    口だけ、鼻まで、顔全体など、今できる段階で参加できれば十分です。
  2. 見ているだけの参加も認める
    手をつないで友だちの様子を見ることも、水への安心感を育てる経験になります。
  3. できたことを具体的に伝える
    「すごい」だけでなく、「口を水に近づけられたね」「自分でほっぺに水をつけられたね」と伝えます。

無理に水をかけたり、突然潜らせたりすると、怖さが強くなることがあります。

その日の成功を大人が決めるのではなく、子どもの表情を見ながら終わる場所を決めてください。

安全に楽しむための共通ルール

  • 子どもから目を離さず、必ず手の届く距離で見守る
  • 足が安定してつく水深と、その子に合った環境を選ぶ
  • 嫌がる動作を無理に行わない
  • 息止めの長さや潜る回数を競わせない
  • 監視員や施設のルールに従う

まとめ:動作を教える前に、やってみたくなる目的をつくる

水慣れで大切なのは、決められた動作を何回できたかだけではありません。

子どもが安心して、水に触れてみようと思えること。

そのために、コーチや保護者が一緒に遊びの世界へ入ること。

「今日は練習しよう」ではなく、

「今日は動物園に行こう」

そんな声かけから始めてみてください。

遊びに夢中になっているうちに、水の中を歩き、息を吐き、顔に水をつける経験が少しずつ増えていきます。

お子さんに合う水慣れの方法を知りたい方へ

楽泳スイミングでは、親子で楽しめる水慣れや、怖がるお子さんへの声のかけ方もお伝えしています。

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笑顔で来て、笑顔で帰る。
そんな水泳の時間を、一緒につくっていきましょう。